中村親方の解説

これ、facebookにも書いたのだが、ホンマによかったので後世の自分のためにここに残しておく。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151114-00000076-dal-spo
この櫓投げは格好良かったのだが、このニュースはあのときのNHKの中継の凄さを半分しか伝えられていない。凄さのもう半分は、向正面の中村親方(元・琴錦)の解説である。
一見すると確かに土俵際でのうっちゃりが櫓投げになって、大逆転に見えたのは事実である。正面解説の舞の海もそう言い、むしろ今場所6連敗なのに見せ場を作った隠岐の海を称賛したほどだった。しかし、中村親方は「白鵬には余裕があった」とコメント。実際、先場所は隠岐の海得意の左四つで敗れているので、自分の得意な右四つにこだわらず、敢えて相手の得意の左四つに組ませて最後の投げに行った横綱相撲の経緯を、組み手争いの動きをもとに解説。もちろんホントのところは本人にしか分からないわけだが、聞いている方からすると納得するに十分な内容で、むしろ舞の海がタジタジ、という感じだった。
この取組以外でも、中村親方の解説は冴えていた。今場所好調の小結、ベテラン嘉風も「動き回っているが得意の型がないのが弱点」とバッサリ。小兵ながらも考える相撲をとっていた現役時代を彷彿させた。こういう人が角界に残っているのは頼もしい。