センセイのセンセイの鞄

大学にいて先生からいろいろと教わっていると、先生の先生、の話が出てくることがある。この「先生の先生」の話がとても好きだ。

やはり、自分も「先生」と言われる立場になっているからかもしれないが、「先生の先生」*1の話というのは、表面的には、怒られた話だったり無茶苦茶な人だったという話だったりするけれども、基本的には「ああ、この人に教わっててよかった」という話なのである。改めてするぐらいなのだから、原理上そうなる。

そしてまた、そういう話を聞くときに、いちおう明治期から始まった、日の浅い日本の西洋的な学問体系というのも、師匠と弟子という古くからある関係のもとに築き上げられたものなんだろうな、と思いを馳せるのである*2

センセイの鞄

センセイの鞄

なんとなくこの作品を思い出したのだが、これが出たのはぼくが大学に入る前なのか。読んだのは大学生になってからだったと思う。あの頃よく川上弘美を読んでいた。最近小説というものにとんとご無沙汰になっている。

*1:古い言い方をするなら大先生とでも

*2:西洋にもいわゆる「徒弟制度」をはじめ師匠と弟子の関係はあるので、これらは矛盾するわけではない