アジャイル開発とスクラム

大学の図書館にリクエストしてくれた人、ありがとう。読みたかったのです。

アジャイル開発とスクラム~顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント

アジャイル開発とスクラム~顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント

ソフトウェア開発者として5年ほど働くなかで、開発プロセス改善的なことも自分のプロジェクト内で、できる範囲でやってきたつもりなのだが、どこかアジャイルという文言からは距離をおいてきた(というかきちんと勉強してこなかった)ので、ざっと読むとバラバラな知識が整理されてよかった。

個人的な関心としては、自分がもし今後会社をつくるとき、どのようにシステム開発していくのか、というところ。最初は1人とかせいぜい2人とかそんなもんだろうが、その後どうしていくか。そのときにアジャイルの人々が今やっているような事柄はとても参考になる。

きちんとスプリントを切ってユーザストーリをボードに貼って、みたいなことは一度もしたことがないのだが、こういうアイデアは決してソフトウェア開発におさまるものではなく、普段の生活にも、それこそパーソナルプロジェクトマネジメントとして生かせるように思う。まさにそれは、アジャイルが日本の製造業から発祥し、欧米を経て日本に逆輸入されたように。

特にこの本は、ソフトウェア開発について技術的に詳しくなくても読めるので、それぞれの分野の人が、自分にとってこういう仕組みの改善はどのように生かせるか、というのを考えながら読むとよいように思っている。

アジャイル開発あるいは、その中でのスクラムというのは「あたりまえ体操」みたいなもんだと思っている。というと伊勢丹みたいな服の人から怒られそうではあるのだが、要するにいろんな固定概念をできるだけ取り払って、人間にとって当たり前のことを当たり前にやる、にはどうするか、どうすれば楽しく作業できるか、というのをある程度定式化してきたのがアジャイル開発ではないか。右足出して左足出せば、歩ける!というような具合に。

ちょっと無茶かもしれないが、ともかくこの本はおすすめです。