みなさん、さようなら
茶屋町のテアトル梅田にて、先週末鑑賞。
映画公式サイト
http://minasan-movie.com/
原作は読んだことないけど、これ。
- 作者: 久保寺健彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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以下ネタバレ含むので、いちおう閉じておく。
なんか、設定の細かいところ含めてなんだかなあ、という気分でいたのだが、何となく気になる映画だし、もう一度観たいかと言われれば観たいのである。不思議な作品である。
それもこれも、中学1年から30歳ぐらいまでをやりきった濱田岳がすごいせいなのかもしれない。正直、途中まではほのぼのとした映画なのだと思っていたのだが、途中から妙な展開になり、社会的ないろいろも織り交ぜ、アクションシーンまで出てくるのだからよくわからない。よくわからない、のだが、そのよくわからなさを濱田岳がすべて無理やり納得させる、そんな作品だ。
設定としては昭和59年つまり1984年に12歳、という主人公は、いわゆる団地世代の最初期の人々よりは少しあとに生まれてきた人、ということになる。正直、1980年代の記憶というのは自分の中にもあるので、それとのギャップが少し気になった。なんとなく、全体的に70年代っぽいのだ。団地の過疎化(あるいは荒廃化)というテーマも、21世紀になるかならないかの頃にそこまでシリアスなテーマだったのかなあ、というのがよくわからない。建て替えという話もあったから、1950年代後半にできてきた団地にあとに入居してきた世代、というイメージなのかもしれないが、いまいちそのへんの組み合わせがピンとこない。
そういう設定のピンとこなさ感は関係なく映画は面白く、時に切なく、いやだんだんとみるにつれ切なくなっていく。27人クラスが4人だったら1人足りないじゃん、とオープニングのときに思っていたのだが、それがまさかちゃんと後でつながるとは思わなかった。
あとヒロインの倉科カナはよかった。倉科カナ自体が持つちょっと前のアイドル感のようなものが存分に生かされていたように思う。花のズボラ飯は結局あんまり見なかったのだが、DVDになったりしないのだろうか。
ああ、そして最後に流れるエレカシが、なんとも抒情的で締めくくりにピッタリだった。