ぼくはプログラミングができない

大学の学部生、つまりうちの研究室の学生なのだが、いやしくも情報科学科の学生ともあろうものがプログラミングは嫌いと平気でのたまわるのである。死ね!というのは簡単なのだが、それはまずいし、そもそもこの状況がまずい。そして状況は複雑である。

基本には、高校生が触れるコンピュータとか、情報科学というものに対するイメージと、プログラミングというものがそもそも乖離してしまっていることがあるのだとは思う。コンピュータというもの自体が貴重で、プログラムが動いてこれは面白い!と思えた20、30年前と、ありとあらゆるものがコンピュータありきで、スマホでゲームばっかりしている世代とでは、そもそもプログラム、プログラミングのありがたさが違う。加えて、大学全入時代というのもあるだろう。

もちろん、そもそも情報科学とプログラミングというのは同じ性質をもつものではない。情報科学というのはあくまでも「情報」の「科学」だし、「プログラミング」というのは、どちらかというとコンピュータ科学に依存した概念だ。けれども、プログラミングが嫌いだが情報科学が好き、という学生がたくさんいるわけでもない。というか一人も知らない*1。なんかそもそものミスマッチがあるなあと思いつつ、まだこれといった解答は見いだせずにいる。

*1:これが「プログラミングは嫌いだが数学は好き」ならいると思うが。