リュウグウノツカイ

http://www.slash-movie.com/ryugunotsukai/
どこでこの作品の存在を知ったのか、それがいまいち思い出せないのだが、ネットかどこかで知ったのだろう。とにかく、新宿で観てきた。実は新宿に行くのもこの4月に東京に来て以来初だった気がする。

なかなか面白かった。筋がやんわりとしかなくて、各自が行間を埋めつつ、シーンシーンの演技の切れ味を楽しむタイプの映画。女子高生の圧倒的な存在感、自己肯定感に、自分の高校時代の自信のなさを重ねあわせると、たたきのめされる。

こういう映画、10年前はどう楽しめばよいか全然わからなかったけど、最近楽しみ方がわかってきた。要するにこれは宝塚歌劇におけるミュージカルとレビューの差だな、と。筋や人間の感情の機微を楽しむのがミュージカルで、場面場面の演者の切れ味を楽しむのがレビュー。

あと、終演後に監督と出演者のトークショーがあって、そういうところでのコメントからいろいろまた新たな発見ができたのもよかった。監督も言っていたように、最後のシーンは本当に心底ムカツくシーンなのだが、ムカツいている自分がいるというのは、つまりそれだけ演技が自然で、演技っぽさを感じさせないものだったから、なのだなあと改めて。

なんであれ、何歳であれ、できること、理解できることが増えるというのは、うれしい。

東京では8/15まで、大阪でも十三の第七藝術劇場でやることが決まったそうなので、ぜひ。