ディーン元気のディーン元気性について

オリンピックも終盤だが、やり投げにディーン元気という選手がいる。日本選手権では十ウン連覇していた村上幸史を破った上に日本歴代2位の記録を叩きだし、しかもこの1年で自己記録を何メートルも更新しているというなんだかすごい選手である。そして、日本選手団の主将まで務めた村上は予選落ちし、ディーン元気は見事に82メートルを越えて予選通過した。あっという間のサクセスストーリーである。

やり投げの技術的なことは一切わからないのでアレだが、このディーン元気がすごいのは、何よりもまずこの「ディーン元気」という名前だろう。お父さんがイギリス人ということらしいが、「ディーン」で、しかも「元気」というこの組み合わせ。ご両親の思いはわからないが、絶妙のネーミングだと思う。

まず日本人は「ディーン」と聞いたときに「え、ディーン?」と思う。ただ外国の名前というだけでなく、「ディーン」というこのやりが伸びていくかのような音(ファミコンの「ハイパーオリンピック」を彷彿させる)。そして、そこに「元気」という名前。この名前のわかりやすさが、日本人にとって特に意味はない「ディーン」という音とマッチングし、「なんかよくわからないが、すごそうだ」と思わせる。そして、一度聞いたらまあ忘れない。

ディーン元気ディーン元気という名前でなかったら、こんな快進撃はなかったのではないかとさえ思ってしまう。彼がもし田中一郎だったら、と想像してみてほしい。名前を並べてみる。

田中一郎
村上幸史

うん、これだとまだ村上のほうが勝っていそうな気がする。
あるいは、ディーン元気の「ディーン」が「ディーン」でなかったら。

マクレーン元気
トーマス一郎
クロマティたけし

こう思うと、「ダルビッシュ有」というのも、スター性を兼ね備えたすごい名前だったのだと思えてくる。

しかし、いろいろな組み合わせを考えていたのだが、村上幸史の顔で、名前が「ディーン元気」だったら一番面白いような気がしてきた。そういう意味では村上も愛されるすごい選手ということなのだろう。どこからか「それディーン元気って言いたいだけやん!」と聞こえてきそうですが、言いたいだけですよ、はい。