Setting is King.

Contents is KingとかData is Kingというのはよく言われているが、ここ2週間ぐらい考えているのは、実はソフトウェア開発は「Setting is King」なのではないかということだ。

Setting is Kingというのは平たく言えば「ちょっとアプリ開発が得意とかよりも、そのアプリの開発環境の設定がさらっとできるヤツのほうが重宝されんじゃね?」ということである。

これは決して単なる勘ではない。以下のような社会の風潮は「Setting is King」を示唆していると思う。

  1. ソフトウェア開発における「すでにできあがっている部分」の増加。コンパイラがあってVMがあってAPサーバがあってフレームワークがあって、みたいな「層」の増加
  2. 開発マシン高性能化などなどによる開発期間の短縮化。技術者が従来ほど特定の技術に長く携わることができないし、携わっていても深いところまで潜れない(自戒をこめて)
  3. StrutsXML設定地獄といった揶揄に象徴される、開発者の「設定嫌い」
  4. 単純に「もの」が増えてきており、「使い方を知らない『もの』」はほっておいても増える
  5. 「もの」の増加によってネット上には備忘録的設定情報があふれているが、それらは当たり外れが大きいし、今後さらにハズレ率は高くなる


SWEBOKとかがどうなってるかは知らんが、ソフトウェア開発における「環境構築」や「設定」といった作業はもっと重要視されるべきなのではないだろうか。また、ひとつのエンジニアのキャリアプランとして「設定を極める」というのも面白い気がする。

Setting is King. 意訳すると「設定一度、効果一生」といったところか。この四字熟語のほうは1年ちょっと前にぼくが会社で新人教育をしていた頃に、新人に言おうと思って機会を逃したフレーズである。遅くなったけどここで伝えときます。

しかし、設定ってみんな嫌いなもんなんですかね。ぼくは元来の設定好きで、どっちかというと開発より設定のほうが好きかもしれない。ガガガSP『祭りの準備』から借りると、「祭りなんかほんとはこなくていいのに、一生準備で終わればいいのに」という気持ちだ。